手彫りの印鑑を購入する場合のポイント

印鑑には機械彫りと呼ばれるものと手彫りと呼ばれるものの二種類あります。機械彫りは文字通り、ドリルのような機械を使って文字を彫刻していくのと比べ、手彫りは人間が専用の刀を柄って掘っていきます。購入のしやすさという点では安価な機械彫りの方が上ですが、セキュリティやオリジナリティの面からいうと手彫りの方が優れていて、こだわりを持つ人に人気です。

機械彫りと比べた場合の手彫りのメリット

手彫りの印鑑だと機械彫りよりセキュリティの面で優れているというのは、具体的にどういった点なのでしょうか。これは同じ印影が作られにくいという点です。たとえば銀行口座を開設する際、印鑑を登録することになります。

そして、登録した印鑑と通帳を銀行の窓口に持っていけば、キャッシュカード不要で預金を引き出すことができますが、これは客が持ってきた印鑑の印影と銀行に登録されている印影が一致していると確認できたからです。つまり、印影が同じであれば登録時に使った印鑑とはまったく別の物を銀行に持っていってもお金を引き出せてしまうことになるわけですが、機械彫りの印鑑だと同じ印影を持つ印鑑が複数ある可能性が高く、その点であまり安全性が高いとはいえません。

しかし手彫りの印鑑の場合、彫り師が同一人物で彫る文字も一緒であっても、力の入れ具合などが彫るたびに変わってくるので微妙に印影が異なっている可能性が高いです。

手彫りはデザイン面でも優れている

オリジナリティやデザインの点で手彫りの印鑑の方が優れているというのも、やはり人間が彫るからです。機械彫りの場合、登録されているフォントを元に彫られるため、非常に形の整った印影になります。そのため、無難な印影の印鑑を作りたいというのであれば機械彫りを選んだ方がいいといえますが、整っている印影というのは見方によっては面白みがありません。

本や雑誌に使われている活字のように、読みやすいけど無難なわけです。一方、手彫りは必ず職人の癖が出るので機械彫りと比べれば文字が多少いびつになることはありますが、それが人によっては「味がある」という風に見えるのです。

機械彫りの字が活字だとすれば手彫りの字は筆で書かれた文字のようなものといえるでしょう。

手彫りの印鑑は町中のはんこ屋ではなかなか買えない

では手彫りの印鑑を購入したい場合、どうすればいいのでしょうか。まずは、手彫りの印鑑を販売している店を見つけなければなりません。町中に印鑑を安く売っている店はたくさんありますが、そういった店で扱われているものはほぼ機械彫りです。

外国人がカタカナで印鑑を作れる店というのもありますが、そういった変わった印鑑であっても機械で作っています。店の中に機械があり、カタカナでもアルファベットでも入力するだけで自動的に彫ってくれるのです。ほとんどの部分を機械彫りで作ったあと、細かい仕上げだけは職人が刀を使って手彫りでやってくれる店もありますが、そういう印鑑の印影はやはり見る人が見れば一目で機械彫りだとわかるので手彫りとはいえません。

したがって、手彫りにこだわって印鑑を探すのであれば、「当店では手彫りの印鑑を販売している」といった風に、手彫りという言葉を押し出して宣伝しているところを探すといいでしょう。

手彫りの印鑑はどれぐらいの金額で買える?

手彫りの印鑑を購入する場合、お金はどれぐらい必要になってくるのでしょうか。これはピンからキリまでありますが、確実にいえるのは同じ店で機械彫りと手彫りの印鑑をそれぞれ販売している場合、手彫りの方が確実に値段が高いということです。

機械彫りでも手彫りでも材料は基本的に同じなので、値段の差は完成までに必要な労力の差ということになります。もし、手彫りでできるだけ安い印鑑を買いたいという場合は、まず印鑑の材料を木にすることがポイントです。

代表的なのはツゲです。また、大きさは小さい方が安くなります。大きさにこだわりがないのであれば一番小さいサイズを選ぶといいでしょう。

関連記事:法人に欠かせない印鑑購入を失敗しないためのポイント

安く買いたいなら外国で作ってもらうという手もある

印鑑の材料をツゲなどの木にして一番小さなサイズを選択したけど、それでも高いと悩む人は多いかもしれません。

機械彫りなら1000円未満で買えますし、100円ショップなら文字通り100円ですが、手彫りを選択すれば最低価格は5000円からというのが普通だからです。

手彫りの印鑑はかっこいいし安全性が高いので使いたいけど、高すぎて手が出ないという場合はどうすればいいのでしょうか。このようなケースでは、海外で作ってもらうという手があります。たとえば、中国の彫り師に作ってもらうと日本の職人に作ってもらうよりも人件費が安いので、その分、安価に手彫りの印鑑を買える可能性が高いのです。

もちろん、中国の彫り師に直接依頼するというのは難しいので、中国の彫り師と契約して安く手彫りの印鑑を販売している国内の店を見つけるといいでしょう。

自分で手彫りの印鑑を作ることも可能

安さにとことんこだわるのであれば、印鑑の材料と彫るための道具を買って自分で作ってしまうという方法もありといえます。そんなものを個人が簡単に購入できるのかと疑問に思う人もいるかもしれませんが、落款用の石であればいろいろなネットショップで売られていますし、その石を彫るための印刀も入手に苦労することはないでしょう。

自分で手彫りした印鑑を銀行口座の登録時に用いることができるのかという点については、まったく問題ありません。

勘違いしている人も多いと思いますが、銀行に登録する印鑑というのは必ずしも名字が彫られていなくてもいいのです。たとえば、名前の一字だけ彫った印鑑でも認められます。市販されている印鑑のように複雑な字体で彫るのは難しいかもしれませんが、簡単な漢字やひらがなを一字だけであればそれほど彫るのは難しくなく、彫刻の初心者でも十分作ることが可能でしょう。

自分で作った印鑑を銀行に登録する場合

自分で手彫りした印鑑を銀行印にする場合は、一つ大きな注意点があります。それは印鑑の材質です。彫りやすいからといってゴムを選択してしまうと認められません。なぜかというと、ゴムは経年劣化で形や大きさが変化してしまう可能性があるからです。

形が変われば印影も変わってしまうので、登録した印鑑にもかかわらず印影が一致しないということになりかねません。そのため、必ず大きさや形が変化しない材料を使って印鑑を作るようにしましょう。大きさについては特に決まりは設けられていないのが普通です。

ただし、銀行によっては制限をつけているところもあるかもしれなので事前に確認するようにしましょう。

詳細...印相体変換 - 印鑑ダイレクト|印鑑・実印の通販 - 印鑑ダイレクト【公式サイト】
投稿日: